サプリメントや栄養補助食品でどこまで栄養素は補給できるの?

栄養素のバランスは人それぞれ


サプリメントや栄養補助食品が体に良いという事でそればかり摂っている人がいますが、同じ栄養素ばかり集中的に摂っていて本当に大丈夫?という疑問を私は持ちます。

人の身体を構成する栄養素は決まっていて、その比率もある程度決まっています。それ以外のものは異物として排泄されるか、脂肪細胞などにとどまり貯蔵されます。

体内の栄養素にもバランスがあり、ある一つの栄養素を多量に取ればそれに伴ってバランスを取るように、他の栄養素の吸収を阻害したり、他の栄養素も過剰消費されます。最終的にその人の体にとってバランスが良いところに調整されていきます。

牛乳=骨が痩せる!?


例えば、市販の牛乳などにはリン酸が多く含まれています。しかし、リン酸はカルシウムととても結合しやすいので、カルシウムを摂ろうと牛乳を飲んでも、カルシウムを逆に排泄してしまうという結果になり得るのです。

だから、牛乳の摂取量が多い人ほど、骨折が多いというデータもあります。

スウェーデンのウプサラ大学で行われた実験などがそうです。

http://www.bmj.com/content/349/bmj.g6015

これを考えると、過剰に単一のサプリメントをとり続ければ良いというわけでもなさそうです。

もちろん、一時的に足りないという事はあるとは思いますが、そういった時にも単一の栄養素を摂り続けるといった必要はないようにも思います。

人の体はとても不思議なしくみになっている


例えば肉を食べたとします。肉はたんぱく質ですね。肉は胃酸で消化し、そして十二指腸でさらに細かく消化されてアミノ酸になります。肉からアミノ酸になる過程に酵素が使われています。しかし酵素もメインの成分はアミノ酸なのです。

言ってみれば、アミノ酸を使ってアミノ酸にします。そして吸収します。アミノ酸を吸収するために、アミノ酸を消費するのです。

コラーゲンを摂取しても一度アミノ酸に分解されるので、コラーゲンを摂取すれば、直接コラーゲンが補給されるわけではありません。ひざ痛のサプリメントで有名なグルコサミンですが、グルコサミン自体はアミノ酸とブドウ糖がくっついたアミノ糖です。経口摂取した場合、そのままアミノ糖という物資のまま、腸から吸収されるものでしょうか?

さらに不思議なことがあります。このアミノ糖を必要な体の器官や場所は数限りなくあるのに、なぜか膝の痛みが治るという不思議さがあります。しかし、こう言ったサプリを摂取し、実際に欲しい効果を得る人がいます。そしてその逆に、効果が得られない人もいます。これは、実際に人の心の作用がかなり強いのだと思います。

プラセボ効果(=有効成分が入っていない薬を飲んでも、薬を飲んだと思うだけで心理的作用が働き、効果を表すということ。)は本当に強力です。

新薬を開発する時にも、プラセボ効果との優位性を調べるのですが、この差は実はほんの少しなのです。5割以上もプラセボ効果より優位性があるわけではありません。

だから、宣伝を見て「これを飲んでみんな治っているのだから、私も治るはず」という強い思い込みや暗示によって、サプリを飲む事と痛みが消える事が条件付けされたりする場合もあるのです。

購入者が多い=効果がある。

という自発的な暗示が効いている可能性があります。

健康オタクこそ病気になりやすい


嫌な痛みが消えるのだったらなんでも良いと個人的には思います。

人の心の作用はとても重要です。もちろん、必要な栄養素や、異物や毒物を体に入れないということは重要であり、第一条件だと思います。

健康志向の人でちょっとまずいなと思うのは、この栄養素が足りないからやばい!ダメだ!すぐサプリを飲もう!という思いを持つ(過剰な健康オタクになる)事ではないかなと思います。

健康志向で、無農薬野菜、無添加食品、糖質制限などをストイックにやっている人が病気になるという事もよく聞きます。

健康志向、マクロビ、菜食主義者にもかかわらず、なぜ病気になりやすいか?これは私なりの考えがあるのですが、サプリメントを摂るにしても、無添加の物を食べるにしても、無農薬の野菜を食べるにしても、その動機が「何かに対する恐怖心だったり、自分の教義(ドグマ)の正当性を他者に誇示するためだったり、そんな人が不健康になりやすいと周りを見ていて思います。

そういう方々は心身が本当に欲しいもので満たされていない可能性があります。

そういった人が必要な栄養素をサプリや栄養補助食品で摂取する事ではなくて、大好きな人とご飯を一緒に食べる事が、本当に心身が欲しているものだったりする事もあり得るのです。お母さんの手作りの料理が食べたいという事だったり、人に認めてもらう事だったり。コミュニケーションが取れる事だったり・・・人によって様々です。

本当に欲しいものは全く違うものだったりする


そのサプリメントがいくら問題解決に必要だと他人や広告に言われて孤独にサプリばっかりを摂っていたって、その人の心や体にとって本当に必要な栄養素が満たされなければ不健康になっていきます。

本当に心身が欲する物を食べる、もしくは、好きな人と一緒に食事をする事がその人にとって一番の栄養になるのです。何かを食べようとする時でも心の声に耳を傾ける事が大切です。本当に欲しいものを摂取した時には、体の飢餓感も無くなりますし、心の飢えも消えていきます。

つまり、栄養素不足を何で補うか、それはケースバイケースで変わるのです。

自分の心と体の声に従うのが一番なのです。

広告のうたい文句や、他人の声で食べるものを決めていると、いつまでたっても飢餓感が消える事はないのです。

 

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