無整枝栽培、放任育児と体裁の良い野菜と体裁の良い子ども

売るための野菜はどうしても人間の管理下にある


私たち農家は野菜をしっかり調教します。(笑)

適芽したり整枝したり、土寄せして土をかけて少し埋めてあげたりする事をして、実の成りを良くし、生産性を上げます。野菜が伸びたいように伸びるという事は出来るだけさせません。

野菜を生産、販売するというフィルターがかかってしまうとどうしても、病気にならないように、とか収量を増やそうという事が重要になってきて、植物が伸びたいように伸びさせてあげる事が難しくなります。種だって、病気にかかりづらく、味がうまい、草勢が強い品種を求められます。人間で言うところのデザイナーズベイビーです。(笑)

これは生産と販売をしている自然農法や、自然栽培をやっていても同じ事です。枝を切ったり、誘引したりと、人間が管理しやすいようにしてしまいます。

だから自然といいながら、不自然農法だと思います。厳密にはね・・・。伸びたいように伸ばすなんて、怖くてできません(笑)

野菜を、この子たちをこのまま放任しておいて、自分の考えている収量が採れるか?雑草にやられてしまい大きくならないのでは?と不安になります。ちゃんと管理して、形と大きさの揃った見栄えの良い野菜でないと売れないので、見栄えはとても大事です。

あくまでも管理して生育環境を制御します。

育児でも管理するクセがついてしまう?


管理していると、この子(野菜)たちの本来の姿ってどんなんだろう?という疑問も湧いてきます。そして、伸びたいように伸ばすという事は結構、重要な気もしています。

人間の場合、特に育児をしていると、子どもはすぐに泣いてわがままになったり、親の言う事をきかなかったり、「あ〜この子大丈夫かな。将来、勉強もしないで、ゲームばかりやっていて・・・このままいったら、社会性もなく、職もなく、生活していくのに困ってしまうのではないか?」と妄想が膨らんでしまいます。

そして、先読み(妄想)して子どもたちに無駄なお節介をしてしまいます。野菜を管理するのと同じように・・・。

まずは、親が考えている範囲で事が済むように、社会性というフィルターを使う事が多いです。

一緒に飲食店に行けば静かにじっとしている事や、他のお客さんに迷惑がかからないように、おとなしくしている事を求めたくなります(体裁)

そして将来は社会的に成功して欲しいので、いわゆる今の日本の文化や制度の中に適応させたくなります。そしてその中で、できるだけ優位なポジション(立場)にいて欲しくなります。

生産性を上げられたり、お金を稼げるようになったり、他人より競争力を持ったり、自分以外の人への効力を高める事だったり、権力を持つ事だったりという社会性を求めてやみません。

その前提段階として、最初に学校の中でうまくやっていける事を考えます。

宿題をちゃんとやったり、友達と一緒に行動できる(団体行動)だったり、そういう事が親としては気にかかります。

宿題をやらなくて、先生に注意され、友達と違う事をして仲間はずれにさせられるなんて、想像しただけでも怖くなって、「宿題やりなさい」と怒鳴ってしまいます。(体裁)

子どものためを思っているふりをして(笑)正しさを主張するふりをして。

それってとどのつまりは自分(親)の心の不安ですよね〜〜。きっと。

本当の意味で自由に農家をやっている人は少ない


農家も、生産がうまくいかない、畑が荒れている、うまく育っていない、稼げていないと、周りの農家からの目(体裁)が気になるという部分はありますので、なかなか、自由自在に野菜に任せて栽培している人は少ないです。

体裁や世間体も自由に育てるための障壁になりますね。

野菜を伸びたいように任せるには、その野菜の育つ土壌にしっかり栄養があり、通気性も良いところに育てば、収量は結構取れてしまいます。生育を邪魔する雑草や、害虫とのバランスが取れている事が条件になると思いますが、育つ環境がよければ、伸びたい方向に伸びて、ワサワサとおおい茂り実をつけて子孫を残し、最後には枯れていきます。生まれ育つ環境がよければ、すくすくと自分を発展させていくと思います。

彼らのゴール(目標)は自分の遺伝子を次の世代につなぐ事。

農家のゴール(目標)は安定した収量を確保する事。

その時点で、かなり隔絶した関係なので、それぞれの想いをなんとか調整しないといけません。

子どもは親の鏡=ミラーニューロン


一方、育児される子ども(人間)にとっての良い環境とは、良い人間関係(親、親戚、友達)や社会環境(戦争、紛争状態でなかったり)だったり、できるだけ多数の人のためになる社会制度だったりするのではないでしょうか?マイノリティーや絶対的にこれが正しい、他は排除!みたいな価値観では伸び伸びとその人の魂は伸びてはいきません。

子どもの行動の基本は、親の真似です。大人になってからの行動指針の8割は親の真似だという研究もあります。コーヒーにするのか?紅茶にするのか?という選択から、結婚相手に求める相手の傾向まで。子どものやっている事が変だな、と思ったら、きっと親がやっている事が変なのだと思います。(笑)

最近は脳内にあるミラーニューロンの研究もされているので、小さい頃の脳内の無意識の模倣が、成長してからの行動原則に大きな影響を与えている事も分かってきています。

親は言葉によって、子どもを管理しようとしますが、実は、子どもは親の行動を見る事によって、運動領域や感情を脳が真似し、行動や、表現を獲得しています。それも誰かの行動を見る事で、その行動をする時と同じ脳内部分が発火してしまいます。(ミラーニューロン)

子どもの社会的な体裁を整えようと思ったら、親の頭の中と行動の仕方を変えた方が早いのかもしれません。

子どもが学校の勉強が嫌いなら、きっと親がそういった、種類の学びが嫌いなのかもしれません。

子どもがいつもそわそわして、落ち着きがないのなら、きっと親が本当はじっとしていたくなく、もっと発散するように行動したいと思っているのかもしれません。

子どもが本来の自分を抑え込みながら良い子をしているなら、親は体裁と世間体がとても大事で自分を抑え込みながら生活しているのかもしれません。

これって、親を見れば子どもがわかる。子どもを見れば親がわかるという相学(手相、人相、風水)に近いものを感じます。

野菜も子どもたちのように育てる人によって違いが出る


私たち農家は野菜の顔色(相)で調子が悪いかをある程度判断します。

一応、その野菜や土(環境)を判断する基準はいろいろとあります。

しかし野菜の生長の違いは物質面での違いの影響だけでなく、実際に、作っている人の違いでかなり変わります。同じ品種を使っていても生長に違いが出ます。

これって、管理の仕方の違いだけではなくて、その人が出す波長の違いに影響されているのではないかと想像しています。同じ畑でも、管理する人が変わると同じことをやっていても、畑の様子、野菜の育ち方に違いが出ます。

だからいろいろな人の栽培現場に行くとその管理人本人の理解に通じてきます。

もう少し畑や田んぼの栽培をしていれば、そのうちそこを管理している人の性格とか人格とかが畑や田んぼの植物から、見えてくるのではないかと思っています。(これも相学ですね。)

信じてその生体の生きる力に任せて、伸びたいように伸びささせる。というのは課題だと思います。

こういった事を考えてみると、野菜の状態、子どもの状態ともに、今の自分の状態(管理者や庇護者)の鏡なのかもしれません。野菜や、子どもをのびのびと生長、成長させたかったら、まずは自分が伸びたいように成長する事が重要なのかもしれません。

 

放任栽培、憧れるけど・・・

まずは自分を放任って事かな??(笑)

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