冷たいものは発達の妨げになりうる?
赤ちゃんは薄着で育てると強い子になるという概念を多くの人が持っていると思います。寒さにも強い子どもを育てなさい!昔なんて肌着一枚で育てられていたのだから。厚着は体を弱くする!などなど、子育てが終わった先輩方にも良く言われると思いますが、この件に関してそういった寒くして育てるのは虐待だとも西原先生は言っています。
それはなぜなのかを生物学的に解説しています。
人間のからだのしくみや歴史を考えると体は温めたほうがいい
赤ちゃんが成長するときの細胞分裂は大人に比べると急激に増えます。人が細胞分裂するときに、細胞呼吸を担うミトコンドリアが酸素を使って大量のエネルギーを使いこれを使います。そしてミトコンドリアの働きには温度依存性があって、37度〜38度で活性化し、それ以下だとうまく働かない。
そして赤ちゃんは交感神経の発達が悪く暑いときには汗をかくけど、寒くなるとすぐに手足が冷えてしまい体温が低くなります。体温が低くなると腸が働かなくなり、消化不良で緑便になったりお腹が苦しくてうつぶせ寝で寝たりするようになります。
それに加えて低体温になると赤ちゃんは怯えてうまく寝る事が出来なかったりアトピー性皮膚炎や喘息、尿路感染症や風邪症状が絶えなくなってしまいます。
無理して子どもに寒い格好をさせる必要はないのかも
私も正直、薄着で育てた方が強くなるんじゃないか?と思っていました。
実際、昔の人は今の家に比べたら断熱なんてあったものじゃないぐらいの家に住んでいたので、とても寒かったと思います。
でも昔は子どもも多かったけれど、全員が全員、成人できたわけではありませんでした。
もしかしたら、寒さで強くなったというより強い子だけが病気にもならずに生き残ったのではないか?とも考えられると思いました。実際に戦前は乳幼児、新生児の死亡率は今と比べるとかなり高かったようです。
乳幼児死亡率15.9%/0.19%
新生児死亡率7.79%/0.09%
*(1899年/2017年)
栄養、衛生、環境条件が今とは格段に違いますからね。だからこそ、今ある知識と昔の知恵をハイブリッドする必要はあるかもしれません。
無理して子どもに寒い格好をさせる必要はないのかもしれません。特に幼児の寝返りができるか・できないかの時期までは血圧も大人に比べるととても低いです。ハイハイができるようになると少し血圧が上がり、立ち上がるようになるとまた血圧が上げられるようになります。それまでは、自分で平熱を高める機能というのは低そうなので、温めてあげた方が良いかもしれません。
血圧が上がって交感神経がうまく機能するようになれば、自分で体温を上げられるようになると思うので、薄着にこだわるのならそれからでもいいのではと、今では思っています。
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