全体性を観る事が大切 無農薬栽培と人間の対症療法

雑菌との関係


野菜が病気になるからといって農薬を土壌に散布するのと、人間が、雑菌が身の回りにあると「汚い!危険!」と言って、やたら滅多に除菌するのは同じです。

これをすると、野菜は本当の意味で健康に育ちません。なぜなら、土壌は少ない菌類になり、単一の菌が土壌に幅を利かせた時には野菜たちは大きなダメージを受けることになる。

人間の場合も体内に保持する菌の多様性がなくなり(体内の菌の種類が少なくなります。)、ある一種類の危険な菌が体内に入った時に抵抗力が弱く、体の反応が激しくなることがあります。

病気と薬との関係


野菜が病気になったからといって、病気を抑えこむために薬剤散布するのと、人間が病気を発症した場合、薬を飲んだり注射をしたりして病気の症状を即時的に無くす。のは同じです。

野菜は病気になった原因(環境や人為的な行為)などを考慮しないので、またその場で野菜を作っても再度病気になる可能性が高い。

人間は病気になれば自分で体温を上げ自己免疫力を使う機能があるのだが、その自己免疫力を強めることができずに、病気に対しての抵抗性を獲得する事ができず、ますます病気に弱くなる。本当の意味で健康になれない。

栄養素の関係


野菜を大きくしよう、多収量にしようとして化学肥料をどんどん入れるのと、人間がある栄養素が足りないとテレビCMや広告に言われて、その栄養素だけ大量に入ったサプリや健康食品を摂取し続けるのは同じです。

化学肥料を大量に与えると、野菜の地上部の見えている部分は大きくなるが、根を張って「自分で」土壌から栄養素(ミネラル群)を摂取しようとする力が失われてしまう。(根の量が減る)摂取するミネラルバランスも悪くなり、細胞に締まりがなくなり外部環境にも弱くなる。

人間も体が必要な栄養素を感じ取る力が弱くなる。そしてそればかり摂取していても栄養素のバランスが悪くなるのは当たり前のことですね。結局自分の体が栄養素を作り出す力や、摂取した食べ物から栄養素を取り出す力が弱くなる。

結局は栄養不足で、食欲過多になり太りやすくなるのです。

セットで使っても元気にならない


野菜の栽培において、化学肥料と農薬がセットのように、サプリメントと薬はセット。のように教えられます。農薬を投入すると、土壌のミネラルを使えるようにしてくれる菌がなくなり、化学肥料を入れないといけなくなります。

これを繰り返せば繰り返すほど、菌の多様性は減り化学肥料の量も多くなる。

人間が薬をとると、薬の8割は肝臓で分解されて分解された物質が、体のどこかの受容体で生体反応を起こして病気の症状を抑えたりしてくれる。

薬をとり続ければ、体内のミネラルや酵素が減ります。それを補うために、足りない栄養素だけを摂取していけば、他の栄養素とのバランスが悪くなるし、自分の消化器官の能力も落ちてくる。そのうち他の部分に不具合が出てきて、体が弱くなるのでまた病気にかかりやすくなり…薬を飲んで出てきた症状に対しての対症療法をしてしまう。こうやって薬もどんどん増え、体を弱める循環を始めます。

もちろん病気の種類によっては、薬が必要なことはあります。

でも、全体的な事を見ずに、対症療法的に体から出てきた症状だけを切り取って見ているだけでは、本当の意味で原因に対処して根本を治す事は出来ないのは野菜も人間も同じです。

人間が自己と外部環境を切り離して自分の存在を言い表せないように、野菜も外部環境を切り離して存在しえない(生育できない)と、いうのは面白いし、抱えている問題を解決するための重要なヒントになると思えるのです。

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