ミツバチが消える!?ネオニコチノイド系農薬の恐怖
農薬の種類も色々ありますが、今はネオニコチノイド系の農薬が最近の主流になっています。
EUのフランスでは2006年にネオニコチノド系の農薬が最高裁の判決により禁止されました。これは、ミツバチの大量死という蜂群崩壊症候群から端を発しています。2006年、アメリカ22州の240億匹近いミツバチが忽然と姿を消すという減少が起きました。
ミツバチは植物の花から蜜を採るのと変わりに植物の受粉を助けてくれます。
ある意味で野菜や果物の生産者でもあります。ミツバチがいなくなるというという事は、人の食糧生産にとってはマイナスにしかならないし、養蜂家だけでなく、野菜を作る人にとっても損害です。
この時の農業関係の被害総額は全米で数百億ドルに達しました。
このような現象はアメリカだけでなくカナダ、欧州全土、台湾などでも発生していて、日本でも宮崎、長崎、鹿児島からそう言った報告がされています。
フランスはネオニコチノイド系農薬の「禁止」という英断をしましたが、日本では未だに使用は許されています。
動物実験から見ると、人間には本当に安全なのか?
農薬を作った薬品メーカーは、虫には害があるけれど人間には害がないと安全性を訴えていますが、Journal of pesticide reform(農薬改善ジャーナル)によると、ネオニコチノイド系のイミダクロプリドの動物実験による結果を公表しています。
◎急性毒性
動物実験では、無気力、呼吸困難、運動失調、体重低下などが起こり長期暴露により体重増や甲状腺機能障害を起こす。
◎生殖障害
流産が増え生まれてくる仔が低体重になりやすい事が観察されている。
◎遺伝子損傷
作物に、DNA反転と呼ばれる遺伝子損傷の一種を増加させます。
◎鳥類被害
鳥類の毒物汚染や卵の殻が薄くなる被害が発生。
◎水生動物被害
エビや甲殻類は意味ダクロプリドの濃度が60ppm(ppmは10億分の1)で死滅する。
◎土壌残留
ミネソタ州での野外テストで1年間の使用で、土壌濃度が減少する事はなかった。
◎農薬耐性
ミシガン州でのジャガイモ作付けのうちでは、コロラドポテト甲虫がイミダクロプリドの使用からわずか2年で耐性を獲得している。
◎分解性毒性
メーカーは分解されれば安全と言うがネオニコチノイドの分解産物は人にとって強毒性を発揮して人の神経系を強く阻害する。
ネオニコチノイド系農薬の特徴として水溶性(水に溶ける)なので、土壌に散布された時に水と一緒に移動し、それは植物の根から吸収されて植物に蓄積されます。これは虫の食害を防ぐ一方で人間の体の中へもネオニコチノイドの成分が簡単に入る事を示しています。
今までの農薬に耐性を持ってしまった虫に、より効果的で強い農薬の開発をする事になっているのが現状です。
結果として作物に残留して、落とすことができない農薬になってしまいました。
また水溶性なので、雨と一緒に地下水に流れて水質汚染を招くことになります。虫を殺すための薬が回り回って人間にも被害を与える事になっています。
農薬と展着剤 水溶性だからといって野菜についた農薬は水で洗っても落ちない
農薬は、“展着剤”という、接着剤のようなものを混ぜて散布します。できるだけ農薬の効果を持続させるため、雨で落ちないようになっています。と、いうことは、やはり水で洗ったところでそう簡単には落ちないのです。
脳が壊れる!神経毒
ネオニコチノイド系の農薬は神経系を冒して神経情報を遮断します。
虫たちは興奮状態になって狂い死ぬのですが。(アセチルコリン受容体などをブロックして、神経間の情報を撹乱する作用があります。)
神経回路は人間も蜂も同じなので人間にも少なからず害を及ぼす事は簡単に想像できます。人間の体内にある情報系は、神経系、内分泌系、免疫系、経路系があり、それぞれの系統の伝達阻害にとって害になると考えるのは普通の事だと思います。伝達障害が起これば、本来のその人のパフォーマンスは発揮されません。
そして、ネオニコチノイドなどの農薬のアセトアミプリドは脳に蓄積するという論文も発表されています。
夏に家で使う殺虫剤もネオニコチノイド系の物が多くあるそうです。今は、農業用の物だけではなく、防蟻処理剤(シロアリの薬)や家で使う殺虫剤、ペット用のノミとり液にまで使われています。
危険ですよね。
人間がどんなに強い農薬を作っても、虫たちは耐性をつけてその農薬は結局効かなくなってしまいます。そしてさらに強く効率的に虫を殺す農薬を開発するというループは終わりそうにありません。結果として生物が死に絶えるという現象は消費する人の意識が変わらない限り止まらないと思います。
主なネオニコチノド系農薬 一般名(商品名)
- イミグクロピリド(アドマイヤー)
- アセタミプリド(モスピラン)
- ニテンピラム(ベストガード)
- チアメトキサム(アクタラ)
- チアクロプリド(カリブソ)
- ジノテフラン(スタークル)
- クリチアニジン(ダントツ)
参考文献:悪魔の新農薬「ネオニコチノイド」
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